さいきん。

2023.02.12

君の名前を呼び間違える。

涼春に話しかけている最中に、君を恋人の名前で呼んでしまう。
一年以上、もうずいぶん前からだ。
最初は、困ったような顔をして間違いを指摘してくれて、変わらず話を聞いていてくれたけど。最近は間違えた後も、二度、三度続けて間違えて呼んでしまっている。そうなると涼春はもう諦めてしまっているのか、何も言わずに私の話を聞こうとしてくれる。そんな君を見ていると、私も口が止まってしまう。

君は目の前にいるのに、見えなくなってしまったみたい。
ずっとずっと、一緒にいたのに。
私は目の前にいる君をすり抜けてその先の、遠くの恋人をすっと見据えている。

秋良さんとも時折涼春の事について話をしている。
もうとっくにオレは壊れているのかもしれない、と彼がぼやいていた。と聞かせてくれた。

涼春は、もう必要ないのかもしれない。
それでも「そばにいる」「ずっと一緒にいる」「消えたりしない」と、毎日ぎゅっと手を握って約束してくれる。

ありがとう。
ずっと一緒にいてね。

Nichijou nikki by××