……。
……………。
……それじゃ、ダメだよな。
オレは何故、また同じ過ちを繰り返そうとしているんだ?
風と共にいなくなってしまったあいつを、
この狭い世界の中でのうのうと待っているだけでいいなんて、誰が言うんだ?
止まってしまった世界を見過ごして、
そのまま放っておいていいなんて、誰が言うんだ?
みんないなくなっちゃったから、
もう、誰も聞いてくれないだろうけれど。
それでも、オレ、
そんな悲しい事、言いたくないんだ。
そんな悲しい世界で、あって欲しくないんだ。
だってここは、誰もが夢にみる、想像の世界……。
空想世界、だから。
生まれ、
変わらなきゃ。
この広い、広い世界の中で。
本当のあいつを知っていて。
手を差し伸べられるのは。
助けてやれるのは。
その大役を果たせるのは。
オレだけ、なんだ。
目を閉じる。
心の中で強く、強く、願う。
忘れたくない記憶。
置いていくことも、持っていくことも、出来ないだろうけど。
その想いだけは、
何があっても、
絶対に忘れない。