(世話役にユサレイカを選んだ魔王
夕刻、屋敷に向かおうと海沿いを歩くが、闇の力に飲まれそうになる
初めて、秋良の姿を二人に晒し…
ずっと魔王の力を使っていたために限界が来ていた)
「では、よろしく頼むよ」
魔界、海岸沿いを歩く二人の悪魔と、後ろを歩く魔王
二人とも言動には出ないものの、そわそわとした表情で歩く
夕暮れに差し掛かった頃…
ふと、気配が消えたような感覚を覚え後ろを振り返る
「魔王…様……?」
そこには魔王の姿はなく、代わりにごく普通の子供が立っていた。
「あの、」
横に歩いていたもう一方の悪魔を引き留めて、
「?」
そちらの悪魔も異変に気付く。
二人の悪魔に見つめられ、戸惑った秋良は口を開いたが…。
(限界……みたいだ……)
闇の力をずっと使っていたために体に緊張と疲労が溜まり、魔王の力が解けてしまったのだった。
秋良が気付いた時には既に視界が真っ黒に染まりかけ意識が遠のき、
何も伝えられないまま、ふらりと横に倒れてしまった。