p.ラスト

嵐のような日々が、去った。

依然、世界は動かない。
陽は陰り、雲に覆われた空には、風がまだほんの少しだけ残っていて。
部屋の外に出たオレの頬を、ぬるい風が撫でていった。

第 話

今頃。
あいつは、空の上の世界で駆け回りながら新しい景色を楽しんでいるのだろう。
何のたよりもないけど、きっとそうだと、思っている。

「また、一人ぼっちになっちゃったな…」

空の下。
オレは、微かな風にそよぐ草原、足元を見つめる。

でも。
そう寂しく思いながらオレは、じっとここで待つんだ。

新しい住民がやって来るのを。
新しい景色が見えるのを。
空の世界が、また、広がっていく様を。

楽しみにしながら、
この広い空の世界で。

夢を見て、待つんだ。

– 空想世界 エンド –

*