告白

涼春達が火の島帰って来た翌日か数日後

指先に力が入らなくなった。

夜、屋敷で休憩をしていた時だった。
カップの取っ手を掴んでいた指から滑り落ちた。
案の定、中身はほとんど飲み干したから、ゴトリと音を立ててテーブルに転がるだけだったが。
…。
誰も、見ていない。辺りを見回したが、ユサはお茶の片付けをしに離れていたし、
レイカは彼の部屋へ行くと言って部屋を出でいた。

手元を見て、目を見張った。
はっきりと打ち明けては、いけない。
ユサには何も言わず、そっと部屋に戻った。

しまったな…。
部屋に戻ってから気付いたが、シャツの袖口が少し汚れていた。
既に屋敷でくつろぐ時の服に着替えていたから、着替え直す必要があった。
腕、手首までは動くが、指先が動かない。感覚が鈍い。小さなボタンを上手くつかめなくなっていた。