9* 体育館(未完)

気が付いたら、僕は屋内の壁に寄り掛かっていた。
ここはどこだ…?薄暗いために時間もまるで分からない。
壁沿いの狭い通路を移動し、うっすらと光が漏れる先へと向かう。

白紙の生徒がずらりと椅子に座っていた。
この光景は……。
体育館全体に、生徒会役員選挙を開始する旨のアナウンスが鳴り響いた。

しまった。既に始まってしまったか…。今更席に戻るにも目立つし、自分の席が用意されているかも分からない。
幸い、舞台裏には誰もいないようだった。ここから様子を窺えばいい。

やはり、いた。白紙の紙を顔面に張り付けた生徒達が並んで着席している中、白い髪の生徒が一人、しっかりと前を見据えていた。