直す屋直人とgateの話 最終話1

ある日の直人とGate。
朝から昼間へと猛烈な早さで進む窓の外からの光を浴びながら、お直しのために開店準備をしていた。
そんな中、直人に言われて裏の部屋へ道具を取りに行ったGateは、ある物を見つけて帰って来た。

勝手に持ち出して怒られるかと思い、「あの、これを見つけたんですけど……」とおずおずと言って取り出したものは「それ!!パペット人形じゃないか…!」

「えっ」Gateが驚く間に「どこ行ってたんだぁお前さん達」「ちょいと貸してくれぇ」とGateからパペット人形をふんだくるとすぐさま直人の手よってはめられたパペット人形は動き出した。

ワイワイと盛り上がる直人に、次第にGateも楽しくなってきて、「もっといいものがあるんだ」と言う直人に連れられて、裏部屋に入って行った。

「おっといけねぇ!今日はもう閉店だぁ!」

慌てて戻って来て、店前の表示を閉店に変えるスイッチを押した。

裏の部屋は、直人が集めたのか、直したのか。定かではないが、ガラクタと、それを入れたり覆ったりするものががたくさん積みあがっていた。

ショーのように繰り広げられていく。
次々と現れる直人の傑作達に2人で驚き楽しんでいた。
が。

「これはッ!私の最高傑作だ!」

そう豪語して、ボロボロのシーツを豪快にはためかせて露わになったのは。

とても最高傑作とは呼べない、壊れたロボットのようなものが横たわっていた。

「………なお、とさん?」

その呼び声にピタリと止まった直人は、物が落下するようにガックリと腕を落とした。

「忘れてた」

見上げたままの直人は、

「こいつはもう、動かないんだ」「直せるわけが、……」

そう、虚ろに呟くと、機械のような感情の無い足取りで仕事部屋へと帰って行った。

「…………」

直人を追いかけたくても、何故か動き出せなかったGate。
じっと、横になったロボットの目を見つめて。
全身を集中させて、必死になって何かを探って、探って、探って………。
辺りのガラクタ達が知らんぷりをしても。
家の中の家具や道具達が聞く耳を持たなくても
街中がシカトをしても。

( このロボットさんの心臓は どこに行ってしまったんですか ! )

バリン!

Gateが次に気が付いた時には、世界はガラクタのゴミみたいな宇宙になって、Gateはその中に放り出されていた。(ここのGate、要素が負傷している)

「なんてことしちゃったんだ…!!!」
「どうしようどうしようどうしよう自分じゃなにもできないどうしようどうしよう」
「うわあああああああああああああああああああああっ」

声のように破け、割れていく世界。
記憶の破片がGateの中へ飛び込んでくる。

最初は直人の、それから死神の、人形の、〇〇の、●●の、▲■の、………(最後に幽霊の。)
全てが繋がって、見えてしまった。

「ハッ ハッ ハッ はーーー」

ガクリと膝から崩れ落ちたGateは、「Gateくん!?」どこかで聞いた美しい男の人の声を聞いて倒れてしまった。

ガバッと目が覚めたGateは、あたたかな日差しの差す、どこかの家の中にいた。

「手術を施しました。何せ、緊急事態でしたからねーー」

「心を摘出する、手術ですよ」

「え……」

(直人の記憶だけが、上手く思い出せないGate?違うか、思い出せないのは感情か)

「」

時を止めた死神(消えたはずではと局員に驚かれる)
取り残してきた直人への感情が無くて、ものすごく喪失なGate
他の局員がバタバタと救出の準備をする中、情報提供が何もできなかったGateは家の中のベッドで取り残されていく。

最後は直人支店をGate経由で作って来てもらう、涼春は前から打診していたこと、魔王は嘘をついて摘出しなかったということを明らかにする。幸せエンドで。