アル1日ノ空ヲ想ウ

p…

……。 ……………。 ……それじゃ、ダメだよな。 オレは何故、また同じ過ちを繰り返そうとしているんだ? 風と共にいなくなってしまったあいつを、この狭い世界の中でのうのうと待っているだけでいいなんて、誰…

p.ラスト

嵐のような日々が、去った。依然、世界は動かない。陽は陰り、雲に覆われた空には、風がまだほんの少しだけ残っていて。部屋の外に出たオレの頬を、ぬるい風が撫でていった。第 話今頃。あいつは、空の上の世界で駆け回りながら新しい景色を楽しんでいるのだ…

p.10

最悪な夢を見た。まだ締め上げられた感覚が残っている首を掴んで呻きながら、起き上がる。けど、そこにいるはずの人物達はいなくなっていて……。―第10話―すぐさま、ものすごい音がオレの耳に飛んできた。嵐のような強風が部屋の外側を殴り付けていってい…

p.9

「目を開けると別世界が広がっていて、素敵な気持ちになるの」女神の話を聞く事にしたオレだったが、突然の自慢話に頭が混乱してしまった。つまりだな…?気がつかない間に意識が飛んで、新しい別の世界にたどり着いている……と、いうことか?夢を見ている感…

p.8

『泊まっていこうかしら』なんて言い出した女神がオレの部屋に住み着いてから、数日。窓の外の雪は、ずっと降り続いていた。―第8話―同じ部屋で一緒に寝起きをして、一緒に窓の外を見つめて過ごしていたのだが…。一向に外の景色は白のままで、変わらない。…

p.7

雪が、降っている。窓の外に積もりゆく白が、オレの心の中にも吹き込み、積もってゆく。―第7話―快晴が続くこの空において、雪は異常気象に分類される。もちろん、そんな事(異常気象)はいつものことじゃないか、と言われるかもしれないが……。今回は様子…

p.6

アイスブルーの空の下。波に逆らってはしゃぐ女神、砂浜で突っ立っているオレ。とても対照的な光景だがはっきり言っておく……これは真冬の風景だ。世界は至って平常、オレも平常。異常なのはあいつだけ。きゃあ、とはしゃぐ声と波の音が交互に響いていた………

p.5

青い青い世界…。どこまでも広がっている青。それは一筋の光も通さず、全てを飲み込むような深い闇。体全体にずしりと重みがかかり体が思うように動かない…。ゆっくり、ゆっくりと、底へと沈んでいく。ここは…どこなんだ?いつもの、のんきな空はどこにもな…

p.3

ここは、空想世界。とある人間のために創られた想像上の世界。季節は秋に入り、木々の枯れ葉がひらひらと落ちていき、冬に向かって少しずつ寒くなってゆく…ハズだったが、今年は異常気象のようだ。夏はもうとっくに終わったというのに日差しは強く、地面にジ…

p.2

まだ朝8時だというのに空は元気に晴れ渡り、いくつか雲が浮かんでいる。そんな景色を少年はぼんやりと…過ぎ去って行く雲を見つめていた。今日の仕事はまだ残ってはいるが、夜までにやっておくべきものはすべて終えてしまっていた。やる事なくなってしまい、…

p1

-ここ(空)はどこまで広がっているのかしらね-自称女神はそう言った。温かい陽の光が大地を優しく包み込む。ここ最近、寒い日が続いていて雨と曇りの繰り返しだったのだが、今日は珍しく晴れている。とまあ、そんなことを考えながら作業に集中していると、…